昔ばんぎゃるだった何かの日記

ばんぎゃるがいろいろ考えたりいろんなものを観たりするよ。

ヒプノシスマイクというコンテンツを好きになって、今考えてること

ヒプノシスマイクにハマっています。

最初はちょっと、えー…どうなのこれ……って思ってたんですけど、キャラクターのビジュアルを見て、楽曲を聴いて、転がるようにCDを買い、投票し、展示パネルを観に行き、グッズを買い、めちゃくちゃ楽しいです。

ただ、最近ツイッターで、私がこの作品に最初に触れた時「えー…どうなのこれ……」って思ってた部分について言及している方が徐々に見受けられるようになり、「やっぱそう思う人いるよな。わかるわかる。」と思っているところです。

ここで1つ断っておかないといけないな…と思うのは、これから書くことは、一切、ヒプノシスマイクというコンテンツを真っ直ぐに楽しんでる人たちに対しての非難ではないということです。

こういう事を書く時、大体、限界破裂トップギアでブチ切れてる文章の方が拡散されやすいので、コンテンツを真っ直ぐに楽しんでる人たちがめちゃくちゃびっくりして、責められているように感じてしまうという光景をよく見ます。

そうじゃないです。

(そもそも、トップギアでブチ切れたくなる事情がその書き手の方にもあるのでしょうし、そうして声を上げること自体めちゃくちゃ勇気あると思うので、そちらの立場も守りたい。)

今回私が話すのは、私がヒプノシスマイクに触れて感じた「私にとっての」ジェンダー感です。なので、多様性の時代には、こういう考えの人もいるんだと受け止めてくれたら一番嬉しいなと思います。

そして、私の文章でそれでもムカついたり、嫌な気持ちになったら「何故(どこが気に触って)自分は嫌な気持ちになったのか」を考えてくれたらもっと嬉しいなぁとも思います。

そのムカつきの根幹は、たぶんその人にとってのだいじなところだと思うので…

この文章に書かれてる事が正論だ!!とも全く思ってないです。

ジェンダー感っていうのは、性別はもちろん、住んでる地域や、家庭環境、パッと思いつくだけでも色んなものに影響されて個々人の中で醸成されます。

「自分にとってはどうなのか」を、主観だけじゃなく、社会的背景や歴史や、色んな事から考えて作り上げて、日々修正していくものだと思うので、「今の自分がどう感じるか」を、私は大切にしたいと思っています。

「今の自分がどう感じていて、その感じている事は誰かの尊厳を踏みにじっていないか」

ここを大切にしたいと、思っています。

まぁ、そんなに沢山の人に届くとも思ってないので、私のTLのみんなたちがそうしてくれたら良いなぁくらいの感じです。

ごめん、説教くさいね……

では話を戻します。

ホームページを観て、イケブクロディビジョンvsヨコハマディビジョン(順番に他意はないよ)のドラマパートを聴いて、ウッ……と思ってしまう箇所が私はありました。

今はホームページのストーリー紹介の箇所から、その部分がゴッソリ削除されているのですが、「女性が政権を持つようになって、中王区という区画に住むようになり、男性は中王区以外のディビジョンに分かれて住むようになった」的な設定が最初はかかれていました。

(アニメイトのパネル展示で見られます。)

それぞれのディビジョンは、中央政権に反旗を翻しつつ、ラップによるディビジョンバトルを繰り広げていく。という感じの内容です。

最初に見たとき、このご時世に、今の日本語ヒップホップの流れを汲んで、この設定でやるの勇気あるな…と思いました。

ジェンダーに関する価値観の多様性を認め合っていこうというこのご時世に……って。

劇中でも女たちはなかなかにディスられます。これ、現実でこういう扱い(「女だから」とか「女のくせに」とか「女なんだから」と言われて虐げられたことがある)を受けている場合めちゃくちゃキツイな……と私は思いました。

且つ、今のジェンダー感を一部だけひっくり返した構成も、キツイな…と思いました。

他の方のブログ記事でも言及がありましたが、政権と税率(男は女の10倍らしい)と中王区には女しか住めなくて男は入るのに許可証がいる。という設定以外、キャラクターには男の医師もホストも会社員も小説家もデザイナーも警官もいますし、看護師は女性でした。

ホストクラブでは女は「子猫ちゃん」だし、モテまくるキャラクターにとっての女は「おねーさん」です。

作中で、レストランの女性従業員に失礼な態度を取っても追い出されるような事はないし、中王区の中の女性たちをナンパする事だって可能です。

こういった点では、男性に対しての格差社会を感じることはほぼありません。

「中王区に住む女たちだけが特別」というような設定が後から出てくる予定だったのかもしれませんが、それなら女全体を「クソ女ども」って罵るのは辻褄が合いません。

税率10倍ではないにせよ、現実で、女性の収入は男性の7割で、まだまだ世の中の企業には暗黙の了解で女性にはつくことができない仕事があります。現実の世の中に出た時に、自分がして来た嫌な経験が、キャラクターを通してフラッシュバックして、かつそれを思い出してる最中に更にキャラクターからディスられる…キツイ……キツイっすよ…

これも他の方のブログ記事で言及がありましたが、『オトメイトレーベルは女性向けなのもあって女性キャラクターがほとんど出てこない。』んですね。(私は勉強不足でこの辺の事をほとんど知らなかったのですが)

たしかに、「それを正当化する手法」なのだとしたら、なるほど…と思いましたが、ぶっちゃけ何も知らずに最初聞いた時、ディストピアものにするにしては中途半端に思えるし、なんでこんな設定にしたのか全然わからなくてとてもびっくりしましたし、ショックでした。

 

現代社会の激しいダイバーシティ化の煽りを受けてか、日本のヒップホップ界もジェンダーについての捉え方が少しずつ変化してきています。

フリースタイルダンジョンの椿さんとか、リリック自体は自分のスタイルを貫いたけど、椿さんの挑戦を受けた呂布カルマさんとか、そのバトルに対してのzeebraさんのコメントとか、いとうせいこうさんの考え方とか。

あとは、私は最近、NEWS RAP JAPANという番組を楽しみに観てるのですが、TK da 黒ぶちさんの考え方とか、新しい風って感じがして面白いです。

 

ヒプノシスマイクというコンテンツが、今後どういう展開を辿っていくのかは、一消費者のわたしには分かりませんが、私も、ヒプノシスマイクが2018年の日本で展開しているコンテンツとして、ジェンダーのしがらみを打ち破るものであってほしいと思います。

久しぶりに心の底からハマってる2次元コンテンツなので、長々と書いてしまいました。

最後に、色々言ったけど、ヒプノシスマイクってそれを差し引いても私はすごく良いと思うからもし良かったら聴いてほしい……

声優さんが、一作目より二作目、二作目より三作目ってどんどんラップが上手くなっていくところに、プロのスキルと努力を感じます。

大好きで面白いと思うから、考えちゃうんだよな…っていう記事でした。

おしまい。