昔ばんぎゃるだった何かの日記

ばんぎゃるがいろいろ考えたりいろんなものを観たりするよ。

SEX-ANDROID『高速バス』とばんぎゃるの遠征する心(わたし編)

私は、遠征する事が好きです。

わたしのツイッターを知ってる人達(99.9%ばんぎゃる)には説明するまでもないと思うけど、ばんぎゃるの言う遠征っていうのは、好きなバンドのライブが自分の住んでる地域以外で開催されるときに、あらゆる手段を用いてそこにかけつけ、ライブを見ることである。

 

ちょっと話ずれるけど、ライブに参加することを「参戦」っていうの、何と戦ってるの?ってずっと思ってた。ただ最近は、この「あらゆる手段を用いる」ための日常との戦いや、ライブハウスの中で、与えられた整理番号に基づいて、いかに合法的に自分が最大限楽しめる場所を確保するかというフロアでの戦いがあったりするから、なるほど「参戦」だなと納得しています。

 

冒頭に書いた通り、私は遠征が好きなのだが、遠征の何が良いかをちょっと考えてみましょう。

  1. 遠くに行けるのでワクワクする
  2. 地方の名物が食べられる
  3. 駅弁がうまい
  4. 観光ができる(履歴書の趣味欄には『旅行』『音楽鑑賞』と書きます)
  5. そこでしか見られないライブがある(これは遠征に限らない)
  6. その街に好きなバンドが来ているというだけでなんか楽しくなる
  7. 先週東京で会った人に今日は大阪で会うみたいな邂逅がある(その人は九州に住んでたりする)

ざっと考えただけでも、遠征にはこれだけの楽しい事があります。書いてたら遠征したくなってきた。

この7つの中で、旅行じゃなくて遠征でしかできない事って何かな?って考えるとやっぱり⑤と⑥だと思うんですよね。

特に⑤は、大好きなバンドの最高の一瞬はできるだけ網膜に刻みつけたい系ばんぎゃるなので、ツアーがあるとなったら一回でも多く見たいというのが私のばんぎゃる心。

 

この気持ちを、びっくりするほど的確に、ものすごくロマンチックに歌い上げている名曲があるんです。

まあ、私が言わなくても名曲なので、全然みんな知ってると思うんだけど、

SEX-ANDROIDの『高速バス』という曲が、それです。

(めちゃくちゃYouTube貼りたいんだけど、違法アップロードのやつしかあがってないから、各々つべで曲名をローマ字にしたりなんたりして検索してくれ。)

CDはここから買える↓まじで高速バス以外にも名曲ぞろいだから絶対に聴いたほうがいい。 

SEX-ANDROID 20th ANNIVERSARY BEST 医者ROCK NEVER DIE

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何がすごいって、板の上の人が、ここまで的確にばんぎゃるの本命バンドとバンドマンに対する恋心を歌い上げている、そこがすごい。

バンドマンの書く「バンギャに纏わる歌」はだいたいピントがずれてて、「いやいやそんなバンギャルいないしいても少数の頭おかしい奴だけww」みたいな、(笑)がつくようなものがほとんどだけど(共感するより、その(笑)の部分を楽しむものだと思っている)、セクアンの高速バスは違う。

 

何もかも嫌になってた夜

励ましてくれたあのメロディ

逢いたい…不思議なザワメキが…ね

あなたに狂わせる魔法をかけるの

 

『高速バス』の歌詞の一部なんだけど、これ、全てのばんぎゃるが共感できるのでは!?って思ってるし、雄大さん(ボーカルの人で歌詞も書いてる)は、私の事知ってるの!?ってなるばんぎゃるがめちゃくちゃいると思う。私は思った。

 

部屋で一人で好きなバンドの曲を聴いたり、本命のバンドマンが載ってる雑誌を見たりして、「はぁ…良い曲…世の中嫌な事ばっかりだけど頑張ろう…」って思ったりとか、「はぁ…○○かわいい…次のライブまで頑張ろう…」って思ったりする我々のことを、すごく「わかってくれてる」って思ってしまう歌詞じゃないですか!?

 

この歌詞の中の「あなた」は本命のバンドマン個人でもいいし、バンド自体でもいいと思う。

英語の「you」ですよね。

 

わたし今高速バスで

あなたに逢いにゆくとこ

ちゃんと寝ておかなきゃ

元気であなたに逢えない

 

ここ!!そうです。ばんぎゃるはちゃんと寝ておかないと!!

ヘドバンも逆ダイも万全の体調でやってこそ!

 

わたし今高速バスで

あなたに逢いにゆくとこ

起きたらちゃんとお化粧して

綺麗であなたに逢いたい

 

ここもすごくないですか?

「起きたらちゃんとお化粧して綺麗であなたに逢いたい」バンドマンにどう思われるかとかじゃなくて、自分が「綺麗であなたに逢いたい」んだっていう、ばんぎゃるの片思い感がめちゃくちゃあふれてて、ここ大好きなんですよ。

 

その次からもすごい。

 

わたし今高速バスで

あなたに逢いにゆきます

夢の中のあなたは

光の渦に包まれて

 

ステージの幕が上がり

2度とない今日を無邪気に

ブチカマシテください

そのために行きます

 

ここのフレーズが、本当に好きすぎてどうにかなってしまいそうなんですけど、

まず「夢の中のあなた」ってとこ。

ここまでしっかりばんぎゃるの心理を描いてきてくれて、ここで「夢の中のあなた」っていうフレーズでわたしたちばんぎゃるが見ている「あなた」は夢なんだって明言してくれる。

 

私、ここには二つの意味があると思っているんですね。

ばんぎゃるって、バンドの夢を自分の夢にしてしまうところが往々にしてあると思っているんです。少なくともわたしはそういうところがあった。

大きい会場でやってほしいとか、永遠にバンドとして続いてほしいとか。そういうバンドの夢を自分の夢みたいに置き換えて、そこで力をもらっているみたいなところが、私にはあった。

この「夢の中のあなた」って、そういう「追っている夢」の真ん中にいるあなたっていうことじゃないかなっていうのが一つ。

この高速バス、ライブで演奏されるときにお客さんがやるフリつけがあって、ステージに向かってお客さんが何かを投げるようなフリをするんですよ。

その時に、雄大さんが「みんなの夢を投げて!!」って言って、それを一つ一つキャッチして食べるような仕草をするんですね。

それが、ばんぎゃるの託した夢をセクアンが食べてくれたみたいで、「託していいよ、任せていいよ」っていうことなのかなって勝手に思っていました。

もう一つがバンドやバンドマンって、幻とか夢みたいなもので、ライブって本当に夢みたいなものなんだよっていう、ある意味でのやさしい線引きみたいな意味合いもあるのかなと思ったりもします。

「夢の中のあなたは光の渦に包まれてステージの幕が上がり」

ここまでの歌詞を読んでるだけで、ステージの上の本命のバンドマンが、キラッキラのライトの下で世界一かっこよく振舞ってる様が、脳裡に浮かんできませんか!?

私はきます。

 

「二度とない今日を無邪気にブチカマシテくださいそのためにゆきます」

 

私たちが、バンドのライブを「二度とない今日」だと思って遠征してるってことを、板の上の人が知っててくれてる。

そして、その二度とない今日に最高に可愛くかっこよくブチカマシテくれる様を見るために、我々が遠征しているということを、知っててくれてる。

最初にこの曲を聴いたとき、本当に衝撃でした。とてもうれしかったし、とても報われた気持ちになった。

 

「そういう気持ち」で私が遠征している事を、知っててくれる板の上の人がいるんだって、ものすごくうれしかったのを覚えています。

 

わたし今高速バスで

あなたに逢いにゆきます

わたしのこと知らぬあなた

あなたの居る町へ

 

バンドマンは基本、ばんぎゃるの事なんか知らないじゃないですか。

顔は知ってても、ふだん何をしているのかは知らない、顔もしらなかったり、顔は知ってるけど声は知らなかったり、知られてなくても、それでも行くんだっていう、ここもばんぎゃるの片思い感が出ていてすごく好き。

 

私今高速バスで

あなたに逢いにゆきます

憂鬱さえ笑い飛ばして

そのために生きます

 

「憂鬱さえ笑い飛ばしてそのために生きます」ですよ。これをバンドが曲にしてくれるってすごくないですか?

「そのために生きる」ことを肯定してくれている!!私はそう思いました。

「俺たちはみんなの夢にはなれないから…みんなはみんなの日常を生きて…」みたいなしゃらくせえ事を一切言わない。(特にモデルはいません。個人の感想です。)

 

ばんぎゃるの気持ちを肯定して、そのうえで「でも片思いだし、こっちは顔もしらないよ」ってちゃんとやさしく線を引いてくれる。

この絶妙な加減が、めちゃくちゃ好きなんですよね。

 

残念ながらSEX-ANDROIDは今年の7/19をもって、無期限の活動休止になってしまいましたが、名曲は色あせることなく、永遠にばんぎゃるのっていうか私の心の中で燦然と輝き続けます。

 

遠征にかこつけて、セクアンの「高速バス」がどれだけ好きかっていう話がしたかった回でした。

遠征したいですねー。

 

 

おわり。