ついったーの名前色々変わるけど、ほんとはきょうこって言うんだよ。の日記

ばんぎゃるがいろいろ考えたりいろんなものを観たりするよ。

グランギニョル初見の感想(ぐちゃぐちゃ)

 

5日のマチネ終わり、得体のしれないギラギラしたものが体中にあふれて、でも言葉にできず「すごいものを見てしまった」という、本当に誰にでも言えるような感想しか出てこなかったので、勢いのままに書いてまとめておく。

 

まず、『グランギニョル』はめちゃくちゃわかりやすく愛の物語だった。

友愛というテーマは、TRUMPにも、LILIUMにもあったと思うけれど、グランギニョルには、それに加え3つの夫婦愛が分かりやすく描かれていた。

ダリとフリーダ、ゲルハルトとマリア、スーとウル。

この3組の夫婦愛が、対比して描かれていたと思う。

どこから書いていいかわからないくらい、登場人物全員魅力的だったんだけど、フリーダの愛が本当に深く、美しくて、よかった。

スーがダリの不義の子を身ごもっているんじゃないかと疑念を持ちながら、でもダリを信じるデリコ家の妻として、吸血鬼と人間の共生を望む一人の女性として、ラファエロの母として、3つのどの立場にあっても、対する人を愛そうとする姿勢がめちゃくちゃ響いた。

「家の者がつらく当たってごめんなさいね」のやさしい声と、「このキレイな顔でダリをたぶらかしたのかしら」の冷たいけど寂しそうな声と、そう言ったあと「あなたの血を吸ったりなんかしないわ」って自分でその寂しさ、恐ろしさを冗談にしてしまうような弱いところと、めちゃくちゃ良い女だよ…って思ったらそこでもう涙腺が死んでしまった。

その時点で、フリーダにちょう感情移入してたので、ダリに対して「おまえ!子どもの寝顔見に行ってる場合か!一回フリーダを抱きしめてやれ!!ばか!」っていう気持ちになってしまい、序盤ちょっとだけダリが嫌いになりました。

 

フリーダはとても理性的で矜持ある女性だなって思って、たぶんそこは、ゲルハルトの妻マリアとの対比になっているのかなって思った。

 

自分で子孫を残せないゲルハルトの命で、部下の男と姦淫し、その子を身ごもって狂ってしまう。この真相が出た時が一番つらかった。

ゲルハルトがマリアを守るって言うのが、ほんとうに切実で、ゲルハルトにとって「守る」っていうのは、フラ家を存続させることで、その根幹が揺らがなければ、絶対にすべて、マリアもアンジェリコも守る事が出来るって思ったのかなっていうのが、本当に見ていて悲しい。

ゲルハルトが原初信仰者だったのって、自分がTRUMPになって永遠の命を得られたら、自分だけでフラ家を守れるって思ったからじゃないのかな。

お父さんのつらい教育に耐えて、同じことを自分の子に強いなくても、マリアが子どもを産まなくても、自分が子種を宿せなくても、フラ家を守って、家族を守れるって思った。だから、原初信仰に惹かれたのかなって考えたら、もう耐えられないくらいつらくなってしまったよ。

ラファエロとアンジェリコ、両方とも聖母子画を描いた画家の名前っていうのが面白いと思った。母と子の関係としても、フリーダとラファエロ、マリアとアンジェリコは対局にあるなぁって。関係あるかは不明だけど。

あと、これは余談だけど、ダリ・ゲルハルト・フリーダって、全員画家の名前だよね。

 あと、ウルが泣いているのを見て、マルコが「この世に生まれてきた苦しみから泣いてる」的な事をいうシーンがあって、これ、わたしが16歳のときに下妻物語の桃子の語りでめちゃくちゃ共感したところと似た事言ってたんですけど、何か元ネタあるのかな。

すごい好きな考え方だから、元ネタあるなら知りたい。

 

だいすきだから一説引用する。

「この世に胎内から放りだされた時、赤ん坊が泣いているのは、何でこんなに出鱈目な世界に生み落としたんだよー、という怒りのせいです。やがて大いなる絶望をかかえて生きる宿命を与えられた赤ん坊は、こんな理不尽な世界で生きていけというのなら、こちらにも考えがあるさ、生きることの不毛さに、みっともないから恨み言は今更言わないが、安穏に生きるというルールは無視させてもらいます。好き勝手にやらせてもらいますよ、と思うのです。そのように覚悟を決めたとき、きっと初めて赤ん坊は笑うのです。」

下妻物語/嶽本野ばら/小学館

さいこう。

…元ネタ、シェイクスピアリア王でした!

友達ありがとう!!

 

あと、これは友達が言ってたんだけど、マルコがどこから完全にダミアン・ストーンになるのかっていうところ、とてもきになる。次回みるときそこはちゃんと注目してみる。

 

終わり方もとても良くて、希望にも絶望にも繋がる終り方だった。

ダリがウルを噛んで、負けるなっていう呪いをかける。

私はシリーズを全編見てから今回のグランギニョルに臨んだんだけど、それでもこの終わりは希望だと思った。

今までのシリーズに出てくる人たち、みんな最後まで「友愛」を失わずに死んでいくんですよね。TRUMPのウルはソフィに対して、LILIUMのスノウはリリーに対して、(SPECTERはもう一回見ます)ダリに負けるなって呪いをかけられたウルは、ダミアンにかけられた死の恐怖におびえる呪いに侵されながら、TRUMPで最後に友愛の言葉をソフィにかけて死ぬんだなと思って。

残される側にとってはたまったもんじゃないかもしれないけど、ウルは最後、死の恐怖に友愛で打ち勝って死ぬんだって思ったら、それは希望じゃないかなと思いました。

薬として、永遠にソフィのそばにあり続けることにもなるし。。

覚えてることを書きなぐった自分メモだけど、初見の感想として、初めて見たときこんなこと考えてたんだっていう参考にします。